主な内容
目的:大腸腺腫の内視鏡的摘除後の至適サーベイランス法を検討する。
方法:1998~2001年に大腸腺腫または粘膜内癌に対して内視鏡的摘除を行い、その後2回以上のTCSを行った1731症例を対象とした。癌および10mm以上の腺腫をIndex Lesion(IL)とし、semi-clean colon達成前後での累積IL発見率を求め、3%を越える時点を至適サーベイランスの時期とした。
結果:semi-clean colon達成前のIL発生率が3%を越えるのは、初回治療後13ヶ月であった。粘膜内癌が独立した危険因子であった。semi-clean colon達成後のIL発生率が3%を越えるのは、semi-clean colon達成後36ヶ月であった。初回病変3個以上および60歳以上が独立した危険因子であった。
結語:大腸腺腫切除後のサーベイランスTCSは、semi-clean colon達成までは1年に1回、達成後は3年に1回行うのが効率的である。
We studied 1731 patients who underwent endoscopic resection for colorectal adenoma and subsequent surveillance colonoscopy at least two times. A polyp was defined as an index lesion (IL) if it was larger than 10mm, has high-grade dysplasia or invasive cancer. The status where no neoplastic lesion more than 5mm in size was detected by surveillance colonoscopy was considered to be semi-clean colon. The cumulative hazard rate of IL before semi-clean colon exceeded 3% in 13 months after initial polypectomies. A risk factor of IL before the semi-clean colon status was achieved was the initial diagnosis of high grade dysplasia. The cumulative hazard rate of IL after the achievement of semi-clean colon exceeded 3% in 36 months after colonoscopies establishing semi-clean colon. Risk factors of IL after semi-clean colon were older patient age and the number of adenomas equal to or more than 3. we conclude that surveillance colonoscopy should be conducted annually until achieving the semi-clean colon status, and once every three years after establishing the semi-clean colon status.
最新の痔や排便障害の治療はこちらをご覧下さい
- 最新の痔核治療”ジオン注射療法”について ここをクリック
- 最新の痔ろうの精密検査”3D-MRI"と”肛門管超音波検査”について ここをクリック
- 排便障害・便秘の精密検査”腸管移送能検査””排便造影””直腸肛門内圧検査”について ここをクリック
豊永医師の最新の痔や大腸に関する論文はこちらをご覧下さい
痔や肛門科についての研究や論文
- 痔瘻や直腸肛門周囲膿瘍の最新の診断技術、治療方針、手術法について ここをクリック
- 直腸肛門周囲膿瘍の細菌培養検査と肛門管超音波検査について ここをクリック
- 痔瘻診療における肛門管超音波検査の有用性について ここをクリック
- 括約筋間痔瘻の根治手術後の括約筋機能について ここをクリック
- 括約筋貫通痔瘻に対する瘻管切開手術と括約筋温存手術の比較について ここをクリック
- 深部・複雑痔瘻(Ⅲ型痔瘻、Ⅳ型痔瘻)の診断と治療について ここをクリック
- 痔瘻癌の診断と治療について ここをクリック
- クローン病の肛門病変(痔瘻、裂肛、スキンタッグ)についてここをクリック
- 肛門症状が初発症状で発見されたクローン病についてここをクリック
- 慢性裂肛の治療、手術と長期成績についてここをクリック
- 肛門部尖圭コンジローマの原因、予防、治療について ここをクリック
- 便失禁(便漏れや下着の汚れ)や肛門痛に関する最新の診断法や治療法について ここをクリック
- 痔の手術後の排尿障害の対策について ここをクリック
- 肛門子宮内膜症の診断と治療について ここをクリック
- 肛門管重複症の診断と治療についてここをクリック
- 肛門部基底細胞癌の診断と治療についてここをクリック
- 排便障害(便秘や便失禁)、下部消化管機能障害の診断と治療についてここをクリック
- 最新の肛門病変の診察法 ここをクリック
- 肛門疾患の日帰り手術について ここをクリック
- 地方都市における大腸肛門病専門クリニックの役割ここをクリック
- 大腸肛門専門クリニックにおける直腸肛門周囲膿瘍・痔瘻の診療についてここをクリック
- 大腸肛門専門クリニックにおける痔核の診療についてここをクリック
大腸内視鏡についての研究や論文
- 大腸ポリープを治療したあとの予防的なフォローアップについて ここをクリック
- 大腸早期癌を治療したあとの予防的なフォローアップについて ここをクリック
- 確実でスムーズな大腸内視鏡検査を行う工夫や対策について ここをクリック
- 大腸内視鏡挿入の効果的なトレーニングについて ここをクリック